ベトナムの都市化とライフスタイルの変遷

現代のベトナムが抱える諸矛盾、伝統と革新を融合させたベトナム独自の近代的な都市生活の現状と課題！

近年、ベトナムは大規模かつ急激な速度で都市化しています。当書籍 『ベトナムの都市化とライフスタイルの変遷』 は、ベトナムの都市生活の特徴や成立過程を明確にし、あわせて世界各国と比較し歴史的に考察すると共に、現代における都市建設の諸問題とその解決方法を提示しています。

今日のベトナムは、急速な都市化に伴い都市型ライフスタイルも急速に変化し、様々な問題が露呈している。

現在、工業化と近代化が著しいベトナムの都市は、農業社会から工業社会に移行する過渡期にある。人口の農村から都市への移住による自然増に伴いインフラの負荷は増大する。特に大都市では人口構成が複雑になり、経済や社会に起因する問題が発生する。個人主義的で近隣に無関心な都市住民の増加は、犯罪など社会悪の発生増をまねく。

ベトナムの都市計画と都市管理における欠点や弱点は、都市部で表面化した諸問題が断片化、分断化していて、混沌とした特徴として現れていることである。

生活物質の質と量が飛躍的に向上したことにより都市部の生活水準は大幅に向上した。そして、その影響でライフスタイルは大きく変化した。これはライフスタイル変遷の第一歩目である。社会構造はより多くの選択肢により多様化し、地域レベルでの多文化主義の勃興が顕著になった。これが変遷の二歩目である。その後の技術革新の過程で国際的な交流が開放的に行われるようになり、開放化によりライフスタイルは大きく変化した。海外からの観光客の増加、商業製品、インターネットなどIT関連、デジタル技術などが急速に生活の変化をもたらした。

統一性のない都市計画、伝統的な人間関係の希薄化、拝金主義的傾向、若者の性道徳の乱れ、校内暴力など、現代ベトナムが抱える諸矛盾を赤裸々に絵描きだしながら、伝統と革新を融合させたベトナム独自の近代的な都市生活をいかに構築するべきか、率直に語られている。

研究者のみならず、ベトナム進出日系企業人にとっても貴重な情報を得ることが出来るでしょう。