【調査目的と背景】
既に2010年度に突入したが、「センサーネット」 ビジネスは一進一退を繰り返しながらじわじわと 「実証実験フェーズ」 から 「実運用フェーズ」 に移行しつつある。そういった中で、最新の 「センサーネット」 ビジネスが実態的にどの程度進み、短期的かつ長期的に見てどういった分野 (セグメント) でどの程度の市場 (規模) が見込めるのか?
時間軸別に市場浸透ロードマップを客観的にチェックし、「センサーネット」 先端&有望ビジネス・シーズの 「セグメント&ビジネスモデル別 有望度評価」 「セグメント&ビジネスモデル別 (実態/潜在) 市場規模」 を定点観測しながら多面的且つ網羅的に市場全体を俯瞰することが継続的に求められている。
「センサーネット」 社会におけるIT利活用の高度化や多彩なサービスの実現には、ヒト・モノ・エリア (周辺環境等) の状況を正確に感知 (センシング)・認識し、状況や (屋外、屋内、その中間といったエリア・セグメント毎の) 環境に即した最適なサービスへと結びつけるためのユビキタス・センサーネットワーク技術が不可欠となっている。
この一連の技術の実現により、幅広い社会・経済活動への寄与が期待されている。例えば、下記のようなものを挙げることができる。
「ITセキュリティ・監視」 「一般家庭用、ホームネットワーク (ホームオートメーション) 分野、超高級マンション、住宅、ホームセキュリティ、ホーム市場」 「医療系 (バイオ等)、ヘルスケア、バイタルデータ (人体センサー 等)、病院、健康管理分野、メタボ対策、パーソナルヘルスケア、人の動態、生態情報を取る等のモニタリング、生態分野」 「インフラ系、公共インフラ系 (電気、ガス、水道)」 「オフィス分野、オフィスビル、ビル・建物、オフィス業務支援」 「学校 (大学、公立の学校、教育委員会向け等)」 「環境計測・環境監視、計測のセンシング・モニタリング/環境監視 (田んぼや山奥、河川の水位 等)・空調・省エネ・エネルギーマネージメント (スマートグリッド等も含む)、CO2削減、地球環境、環境基準監視、屋上緑化」 「危険分野、危険性が高い建築現場 (工事現場関係)、安全管理、安心・安全」 「建築、建設分野 (工事現場/建築現場/建設工事)、土木分野」 「公共、国、自治体、行政等」 「工業用リモート監視、機械状態監視」 「工場、プラント (保全管理や構造物管理 等)、コンビナート」 「構造物監視、橋等人がいけないようなところ、建造物、ライフライン監視」 「小売・流通系、外食チェーン店 (民生系の多店舗チェーン店舗)、物流関係、店舗、フランチャイズ」 「コンビニ」 「自動検針分野 (水道のメーターを見る等)、テレメタリング、水道計周り」 「自動販売機」 「食品等 (トレーサビリティ)、食品の衛生管理・品質管理」 「製造業」 「石油や石油化学分野 (防爆が必要な分野、非防爆エリア)」 「設備会社、設備保全」 「船内」 「倉庫」 「駐車場監視 (セキュリティ 等)」 「デパートの監視」 「電気電子や自動車等」 「電力会社」 「動物の生態監視、野生動物 (動物) の生態を見る」 「道路」 「都市エリア」 「農業分野 (農作物や果樹園などを動物が荒らさないように。作物の状態を見るために湿度センサーなどを導入)、農場系、農業のFA化、食の安全、ハウス、アグリ・畜産 (家畜の管理)、農業経営者、畑、農家、牧場を保有する酪農家」 「配線工事分野」 「百葉箱」 「ホームセンター、スーパーマーケット」 「ホテル」 「予知、予防、保全 (工作機械×モーターの劣化、エアコン等)」 「リモコンや玩具」 「老人ホーム、介護 (在宅介護 等)」 他
特に、今後の少子高齢化社会、省エネ・環境推進社会に向けて着実に安全・安心・エコな社会を実現するために 「センサーネット」 の果たすべき役割は大きいと言えるだろう。
今なお 「センサーネット」 は産学官共に最も注目・期待しているポテンシャル・ビジネス・テーマの一つといえよう。
「センサーネット (ビジネス)」 に対する注目度が高まってから (2004年以降) というもの、「センサーネット (ビジネス)」 の実態 (実状) について定点観測したいといった要望 (声) を数多くの企業 (業種/部門) から引き続き頂いている。
従ってESP総研では、最新の 「センサーネット (実態) 市場」 の全貌、将来の見通しを明確化するべく、当該主要企業・団体 (27社・団体) へのインタビューを多面的に実施し、2009年11月~2009年12月の間で顕在化している 「センサーネット」 実態ビジネス&シーズ38セグメントを抽出、ターゲッティング分野×ポテンシャリティ探索・評価、「センサーネット」 関連ビジネス市場規模の算出を行った。
特に重点を置いたのは38セグメント別 「センサーネット (ビジネス)」 のポテンシャル・ターゲット視野/重点ターゲット領域のクロス集計・分析、セグメント (ハードウェア/ソフトウェア/SI/コンサルティング/ASPサービス) 別 「センサーネット」 実態/潜在規模推移 (2008年度~2012年度) の測定である。