▼ 『市場別の移動体通信市場の予測 韓国携帯電話市場の予測』 エグゼクティブサマリー
ROA Groupの分析によれば、韓国の移動体通信加入者数は、2006年12月末時点で4,019万人と推定される。現在韓国の移動体通信市場自体がピークに達しており、新規の需要というよりは新規サービスによる買い替え需要が中心となっている。2006年以降、年平均成長率は0.86%という非常に低い数値と推定され、このような傾向から2010年の韓国の移動体通信加入者数は全人口対比普及率の85%に該当する4,195万人と予測される。
2006年におけるキャリア3社のシェアは2005年末とほぼ変わらず、SKテレコム51%、KTF32%、LGテレコム17%と分析された。一方、2006年のプリペイド加入者数は約33万人とみられる。飽和状態である音声市場においては、プリペイド加入者への戦略よりも、その他のデータサービスのARPUを高めるためのさまざまな戦略を駆使している関係上、プリペイド加入者数は2010年になっても全体の1%あまりである35万人にとどまるなど、現在とほぼ同じような状況が続くとみられる。
CDMA 1Xは2002年、EV-DOサービスが開始されてから引き続き減少している傾向にある。CDMA EV-DO加入者数は、2006年に最高値である1,534万人の水準に達した後、2007年から徐々に減少するとみられる。一方、2006年のWCDMAサービスの場合、その加入者数は16万6,000人と低調な結果となったが、今後端末やコンテンツ、そして料金プラン、さらにはマーケティングプロモーションの強化と合わせて成長期を迎えるとみられる。これにより、2010年には2,305万人 (HSDPA/HSUPA及びEV-DO Rev Aを含む) に増加するとみられる。長期的な面から見ると、WCDMA (もしくはHSDPA) の登場により、既存のEV-DO加入者は次第にWCDMA (もしくはHSDPA) へと移行する可能性が高いとみられる。
2006年におけるキャリア3社の全体加入者の解約率は、2004年よりも小幅増加の2.41%に達した。今後も同じような水準を維持していくと仮定した場合、2010年には解約率のレベルが2.2%になるとみられる。
2006年の合計ARPUは4万1,075ウォン、そのうちデータARPUは8,501ウォンと判断される。一方、韓国の移動体通信市場が今の基調を維持する場合、2010年の合計ARPUは4万2,478ウォンに達すると予想され、そのうちデータARPUが1万2,144ウォンになると分析される。データ加入者数の場合、年平均1.53%の成長率で増加し、2010年にはすべての移動体通信加入者がデータサービスを利用するものとみられる。(2006年は約96.8%がデータサービスを利用しているとみられる。)
2006年における韓国の移動体通信市場の合計売上高は21兆1,019億ウォンとみられ、年平均2.28%に成長し、2010年には23兆6,170億ウォン規模の巨大市場へ成長すると予測される。一方、2006年のデータ売上は年平均9.69%増の3兆7,408億ウォンであり、2010年には5兆9,407億ウォン規模に達するとみられる。これにより2010年のデータ売上が全体の約25.2%となり、顕著に増加していくと予想される。
2006年の設備投資額 (CAPEX) は3兆1,200億ウォンを記録し、2010年には2兆4,800億ウォンに達すると予想される。
[図] 韓国の携帯電話加入者数及び普及率の予測 2005年~2010年 (単位: 千人)
![【図】韓国の携帯電話加入者数及び普及率の予測[市場別の移動体通信市場の予測 韓国携帯電話市場の予測]](/upload/handload/img/roa_amf2007kr_img1.jpg)
~ 調査範囲 ~
本レポートでは2006年全期 (1月~12月) の韓国の移動体通信市場における各キャリアのイベントやトピックをカテゴリ別にまとめ、キャリアの動向と特色について分析を行なった。また2001年度から現在までの韓国移動体通信市場の概要と実績の分析をもとに、2010年度までの市場予測を行なっている。
~ 調査プロセス ~
本レポートは、ROA Groupの独自の予測方法を用い、2006年度から2010年度までの韓国の移動体通信市場の分析・予測を行なっている。またこの分析及び予測は移動体通信市場におけるキープレイヤーであるキャリアについての基本調査 (Primary & Secondary) と、ROA Groupの社内レポートや蓄積されたノウハウに基づいて行なわれている。
【特徴】
本レポートにおける将来の市場予測や概況分析は、ROA GroupのForecasting Methodology (予測方法論) に基づき作成されている。以下は、発行周期によるマーケットデータとマーケットダイナミクスの詳細である。
【マーケットデータ (2001年~2010年)】
・ 人口動勢 (2001年~2010年)
- 人口
- 名目GDP
- 1人当たりの名目GDP
- 消費者物価指数
- 為替レート
・ 移動体通信キャリア別の携帯電話加入者数 (2001年~2010年)
- SKテレコム
- KTF
- LGテレコム
- 合計
・ 携帯電話加入者のパッケージ形態 (2001年~2010年)
- プリペイド
- ポストペイド
・ 携帯電話の普及率 (2001年~2010年)
・ 世帯別及びネットワーク別の携帯電話加入者数 (2001年~2010年)
- CDMA IS95A/B
- CDMA1X/EV-DO
- WCDMA/HSDPA/HSUPA
- EV-DO Rev.A
・ 解約率
・ ARPU (2001年~2010年)
- 合計ARPU
- 音声及びデータ収入
・ 音声&データ通信別の分析 (2001年~2010年)
- 音声加入者数
- 音声ARPU
- 音声収入
- データ加入者数
- データARPU
- データ収入
・ 設備投資 (2001年~2010年)
- 設備投資合計
・ ネットワーク
- CDMA IS95A/B
- CDMA1X/EV-DO
- W-CDMA/HSDPA/HSUPA
- EV-DO Rev.A
- Wibro
・ 非ネットワーク
- IT等